今年から個人事業主として、BtoBの請負業務を始めました。
しかし、よりによって2023年の10月からインボイス制度が、2024年1月からは電子取引に関して電帳法の一部が強制適用されることになるなんて！
色々やらないといけないことが発生して大変な目に合っていますが、不運を嘆いても仕方がないので、色々調べて少しわかったことを書いておきます。誰かのお役に立てば幸いかと(^^)
なお、間違いやご質問などあれば、コメントください。
今回は、インボイス制度に続き、電子帳簿保存法について
この法律、厳密な記述をしようと思うと膨大な文章の羅列になるので、誤解を招くことを恐れず、前置きを無くし、できるだけわかりやすく記載するよう心掛けました。
よって、全部を説明できているわけではありませんので、このブログ内容は参考的にご利用いただき、最終判断は、国税庁のサイトでご確認ください。
なお、この記事による損害他、いかなるクレーム、損害賠償にも応じませんのでご了承ください。
電子帳簿保存法概要
税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律で、
取引情報を含む電子データをやり取りした場合の、その電子データに関する保存義務やその保存方法を定める
これまで、紙で保存することを義務付けていた税務関係帳簿書類について、電子データで保存することを認め、そのための要件を示している法律ということですが、一部の電子データは2024年1月1日から強制的にこの法律を適用されることになりました。
強制的な適用の部分がなければ、これまで通りすべて紙で保存することにして、全く気にすることはないのですが、そうもいかず！
電子保存法の対象者
所得税、法人税を申告しなければならない事業者
ほとんどの営利を追求する事業者が対象ということ、つまり私も対象者であります。
なお、この法律は３つの制度に分かれてます。
(1) 電子帳簿・電子書類：会計ソフト等パソコンを使用して帳簿や取引書類を作成、保存したい場合（＝任意）の制度
・一貫してパソコンを使って国税関係帳簿の全部or一部を作成する場合、一定要件を満たせば、電磁的記録の備え付け、保存することで紙の帳簿の備え付け、保存が不要（電子帳簿保存法4� �
・一貫してパソコンを使って国税関係書類の全部or一部を作成する場合、一定要件を満たせば、電磁的記録を保存することで紙の書類の保存が不要（電子帳簿保存法4�◆�
・また、上記両方の電磁的記録をCMO（電子計算機出力マイクロフィルム＝ハードディスクやクラウド領域を含む）に保存することを認める（電子帳簿保存法5�◆↓�）
難しく書いてありますが、一定要件を満たせば、国税関係帳簿ならびに国税関係書類のうち、全部でなく一部だけでもを電子データとして保存することを認めており、かつ、電子データとして保存したものは、紙での保存は不要であるとしています。
この制度について私の対応は、国税関係帳簿は紙で、国税関係帳簿書類は、3つ目の制度である電子取引に該当してしまうもの（具体的には注文書と請求書）のみ電子データで保管せざるを得ないことになりました。
そうなると一定要件を満たした形で保存しなければなりませんので、次に一定要件についてみていきます。
なお、国税庁のサイトに国税関係帳簿、国税関係書類、国税関係帳簿書類といった紛らわしい言葉がたくさん出てきます。言葉の定義はあちらこちらの法令を参照するような形になっていて正確な定義を把握するのが大変困難で、悩ましいのですが、参考までに私なりにまとめたものを一番最後に示しておきます（例外的な部分までは反映できて状況ですが言葉の定義の本質は外していないと思っています）
一定の要件：
✔ 真実性の確保（以下のいずれかの方法で担保すること）
a.タイムスタンプが付されたのち、取引情報の授受を行う
b.取引情報の授受後、速やかにタイムスタンプを付すとともに、保存を行う者又は監督者に関する情報を確認できるようにしておく
c.訂正や削除を確認できるシステム、または、訂正や削除を行うことができないシステムで取引情報の授受及び保存を行う
d.訂正や削除の防止に関する事務処理規程を定め、それに沿った運用を行う
✔ 訂正・削除履歴の確保（帳簿）
✔ 相互関連性の確保（帳簿）
✔ 関係書類等の備付け
✔ 可視性の確保
a.保存場所に、電子計算機、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
✔ 検索機能の確保
a.取引年月日その他日付、取引金額、取引先について検索できること
b.日付または金額の範囲指定により検索できること
c.2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること
※税務調査の際に、税務署員から電磁的記録のダウンロードを求められる場合があります。この求めに対応できる状態であれば、検索要件の�◆Ν�は不要となります。 また、基準期間の売上高が5,000万円以下の方は、上記同様にダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合は検索要件のすべてが不要とされます。
これらの要件への対応は、売上が5000万円に遠く及ばないわたくし零細個人事業主の場合、2つの選択肢が考えられます。
1つは、これらの要件を満たすソフトウェアを使って電子取引データを保管する。
もう1つは、
�／深太�の確保：d.の事務処理規程で対応
��関係書類などの備え付け：事務処理規程、手順書、帳簿類の備え付け（紙）
�２鳥訐�の確保：パソコン、プリンタ環境を用意しいつでも、表示・印刷できるようにしておく
�じ〆�機能の確保：※に記載の対応（≒��）＆電子取引データをまとめて保管管理
私の場合、請求書は市販のソフトウェアで対応、それ以外の電子データは2つ目の対応で、ハードディスクに保管して対応しようとしています。
(2) スキャナ保存：取引関係書類を画像データ化して保存したい場合（=任意）の制度
国税関係書類（財務省令で定めるものを除く）の全部又は一部について、その内容をスキャナで電磁的記録に記録する場合、一定の要件を満たせば、その電磁的記録の保存をもって（紙の）書類の保存が不要（電子帳簿保存法4��）。
国税関係書類のうち、財務省令で除かれるものとしては、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類が定められています（電子帳簿保存法規則2�ぁ法�
国税関係書類に記載されている事項を電磁的記録に記録する財務省令で定める装置として、スキャナが定められています（電子帳簿保存法規則2�ァ法�
これは、領収書など紙でもらったものも電子データとして保管する場合の要件を定義している制度です。すべてのデータを電子データとして保管する場合はこの制度を利用する必要があります。
スキャンデータのピクセル数など面倒な要件があり、かつ対応が任意のため、、私の場合はこの制度は利用しません。
(3)電子取引：メールやインターネットでやり取りした取引情報に係るデータの保存義務（=強制）についての制度
電子取引を行った場合、一定の要件を満たした状態で、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない（電子帳簿保存法7）
最後のこの制度は2024年1月1日から強制対応を迫られているものです。電子のみでやり取りをクローズしているものは対象になります。
これに該当する電子取引があるのに、まだどのように対応するか考えられていない方が多いように感じています。
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ではここでもう一度私の場合の電帳法対応を整理しておきます。
１．メールなどで受け取った電子データ（私の場合は、メールで受け取った注文書やネットショッピングでの領収書ファイル）
電子データとして保管する手段が用意できていないため、
�．蓮璽疋妊�スクの所定の場所に”日付ｰ取引先”や”日付-購入物品名”などの形式で名前を付け保存。年度ごとにフォルダ分けする。
��電子取引データの訂正および削除の防止に関する事務処理規程を作成
２．保管要件を満たす市販ソフトウェアが用意できた電子データ
私の場合は、取引先に送付する（納品書、）請求書
市販のクラウド型ソフトを使用して納品書、請求書を発行、送付、保管する。
３．電子取引外のデータ
私の場合は百均で買った文房具などの領収書類（紙で受け取ったもの）は紙のまま保管
４．全体的な対応
電子データ取り扱いに関する業務規程を含む業務全般の手順書を作成。中身は以下の通り。
�‥纏劵如璽燭箸靴銅茲螳靴β仂櫃鮓堕蠅垢�
注文書と請求書(控）のみが対象であると明記
��電子データ、あるいは紙として取り扱う対象をどのような手順で操作するかの手順
例えば、電子データである請求書は、クラウド型ソフトをどのように操作して請求書を作成、送付するかの手順を記述
紙データである領収書は、速やかに保管することや会計ソフトへの入力実施などの手続きを文書化
５．帳簿類、手順書、規程などの据付
以上です。
最後に、電帳法で使用される用語の定義まとめを挙げておきます。
取引情報：
取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される情報
電子取引：
取引情報の授受を電磁的方式により行う取引（電子帳簿保存法2五）
いわゆるＥＤＩ取引、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引（添付ファイルによる場合を含みます。）、インターネット上にサイトを設け、そのサイトを通じて取引情報を授受する取引等が含まれます。
保存義務者：
国税に関する法律の規定により、国税関係帳簿書類を保存しなければならない者（電子帳簿保存法2四）
電磁的記録：
電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録。電子計算機による情報処理の用に供されるもの
取引関係書類：
取引情報の記載された書類。注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類
国税関係帳簿：
総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など
国税関係書類：
棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書など（等なので、請求書も含まれる）
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